症例加工の闇

2024-03-26 10:12:08アメブロ記事です

美しい症例写真を見ると、「すごい先生!!??」と実は同業者ですら危うく騙されそうになります。

美容外科において、症例画像は「広告」です。

SNSの症例画像は、医療広告ガイドラインに触れないため野放しになっています。

実際当院で起こったことや、日頃から目にする症例についてご紹介します。

これって私??

本当の自分とは思えない、美しい自分の術後画像がアップされることがあります。加工に気がつく人もいれば、

「術後の私はこんなに美しかったんだ・・」

「他人からはこう見えるのかも・・」

と疑わない人も。変な話ですが、自分が綺麗に加工されてアップされると悪い気はしません。

しかし、症例画像の加工は、新規の集患目的の他に、術後のクレームを跳ね除ける一石二鳥のお宝となります。

「結果がおかしい!」とクレームをあげると、

「症例写真を見ました?綺麗になってますよね」

とりあえず、喜びの声

モニターやインフルエンサーの喜びの声を動画で聞いたことがあるでしょうか。

本当に喜んでいる人もいるかもしれませんが、「契約違反になるから」と、責任を果たすため撮影を受け入れる方がいます。

「さっき撮影してもらって契約が終わりました。とりあえず満足だと言っておきました。すぐに修正手術をお願いします」

これは患者様の声の「ご本人加工パターン」です。

まさかのBefore加工

症例画像は、Beforeの状態が悪いほどAfterの効果が絶大になります。振り幅の大きさと実力は比例して”見える”のです。

なんと、Beforeを加工するところもあります。

患者さんがおかしいと思っても、画像の権利がクリニックにあるので容易に引用できません。

これも、悪質な詐欺です。

撮影方法のテクニック

術後のお顔を小さく見せるため、

撮影方法を変え望遠を使用するところもあります。

加工しないので一見善良そうですがかなりの知能犯。

番外

患者さん自身が悪意なく加工してしまうこともあります。画像の部分カット、肌色の修正、顔を細くする、普段誰も見えないような影をわざわざ光の具合を工夫して撮影・・などです。

更に、SNSで、’身バレ’しないよう、鼻だけ、目だけ、顎だけ・・・

個人の画像には、絶賛も、批判も、一旦留保の態度が必要です。その部分だけ画像で切り取ると、「とんでもない状態」に見えることがあります。画像では鼻が曲がって見える患者様が輪郭に問題があるのはよくあることです。

実は・・

闇や詐欺とは違いますが、

長年美容外科をやっているとカメラを買い替える時期がやってきます。当院も変えたばかりです。

カメラも年々進歩していて、極力設定を同じにしても全体的なトーンが以前とは異なってしまいます。

買い替えの時期に当たった患者様は、Before Afterの画像のクオリティがどうしても変わってしまいます。

追跡が半年なので、昨年暮れから半年ほどの期間に手術を受けられた方は、Before とAfterの画像の質が異なります。このようなことがあることもご理解いただけると助かります。

銀座すみれの花クリニック