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安全な素材だと医師に説明を受けて施術を受けたけど、後になって、調べてみたら、
好ましくない素材みたい・・
限られたクリニックだけが使っているっぽい・・
そういう患者様から、
安全性はどうなのですか?
危険ではないですか?
というご質問をいただくことがあります。
美容医療の素材は、実のところ、違法でなければ自費診療においては、医師が何を個人輸入して使っても問題にはなりません。料金の設定も自由です。
その素材は、厚生労働省が認めた素材でなくても、学会で安全性が認められたわけでなくても、単に、その医師が、業者さんや同業者から営業を受けて、
「それ、いいね!」
と思ったら、即使用できます。これが美容医療の現実です。
その安全性について患者様に説明できるのは、それを導入して使用した医師しかいません。「この素材は安全だ」という言葉は、その医師の経験、実績を背景とした、考え方、価値観、倫理観から出てくるのもです。
新しい素材について、他の先生にいくら聞いても、
「そんな素材知らない」
「安全だとまだ聞いたことがない」
「使ったことがない」
という回答しか得られないことがあるかと思います。
安全だと判断できれば、もうとっくにみんな使用しています。
一部の医師が
「それ、いいね!」
で導入した素材のことを、全ての医師が詳しく知るはずがありません。
ただ、だからと言って、世の中の新しい素材が全てが危険というわけではありません。3年後、10年後、20年後に、トラブルが発生せず、「良い素材だからみんな使っている」という状況になっていく可能性もあります。
これを証明していくのは誰かというと、先駆けて施術を受けた患者様たち、ということになります。
先々広く使われる素材を先陣を切って導入した医師がすごいかというと、そうでもありません。先々その素材が安全と広く認められた場合、それを研究・開発した先生に対しては、
「先見の明がある、凄い発明」
と評価が出ても、
先陣を切って導入した医師は、
「チャレンジャーだったね」
「まだ誰も認めていないのに勇気があったね」
「トラブル素材でなくてよかったね」
という評価を受けるだけです。
うまくいけば、新たな美容医療の素材として多くの人を幸せにすることになり、うまくいかなければ多くの人に損害を与えてしまう、
新しい素材は、どちらにも転ぶ可能性があり、チャレンジャーになるには、相当な勇気と責任が必要となります。
以下は、当院院長のお話を文字起こししました。新しい素材についてのご説明です。
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美容医療において歴史上、
今まで、大きな問題がなかったというのは、約10年間重大な有害事象が度々発症しなかったもので、それが今後も「問題ないだろう」と使われています。
ところが、もっと短いもの、流行だけで、宣伝だけで出てきたものは、問題が起こりやすいです。
高確率で。
例えば、アクアミドは全然溶けない。溶けるヒアルロン酸と言われていたのに、溶けない。
FGF
組織に入って腫瘤ができる。
レディエッセ、
これも今、消えてしまったけれど、アパタイト製剤が残る人がいてしこりになる、
これらが注入物。
そして次が、
オステオポール
少なくとも4年はほとんど吸収されず結局は皮膚が薄くなる。
あとは、寄贈軟骨、保存軟骨、これも結局は美容医療には適した素材とは言えません。
信頼できる自家組織の選択があるのに十分な検討を行わず、他人の組織を自分の体に留置すると後悔します。新しい素材、それも他人のものなのに、入れたら入れっぱなし。
PDSプレート、メディポア
鼻中隔延長の補強剤として使われたけれど、結局、留置の仕方によっては感染を起こすこともあり、あまり使われなくなりました。
最初の3〜5年で問題が明るみになり、消えていくものは安全でありません。安全に使うというのは、せめて10年、大きな問題が発症せず、また問題を回避する方法があり、本当の意味で多くの医師に使用されているということが安全だと言えます。
あと、フェイスリフトで、スレッドリフトが流行っているけれど、約10年前は溶けないスレッドリフトは流行ったのですが、溶けないので、どんどん顔に入れていくと皮下で交通渋滞を起こす事態に。結局は皮膚の外から糸に触れたりと問題になったケースも見かけました。
全てにおいて、新しい素材というのは、後でどうなるかわからないというリスクがあります。
(以上、院長のお話でした)
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10年ほど前になりますが、日本未上陸の美容機器の説明を聞く機会があり、「繰り返しお肌に施術して先々ボロボロになるのでは?」と思ったことがあります。
その時に、
「繰り返し使っても大丈夫なのですか」
と営業の方に質問したところ、
「あんまりよくないですけどね(笑)」
「まあ、喜ぶ女性がいればいいじゃないですか」
という回答がありました。
この時、美容医療機器を開発するのも製造するのも営業するのも、全部男性なんだな、お金が回れば先々女性の肌がどうなってもどうでもいい、そんな人たちが沢山いるんだな、
と思いました。
今は女性医師の厳しいチェックが入るので、以前より美容機器の世界はしっかりと評価されているように思います。
それでも、
「手間が省ける」
「時間がかからない」
「利益率が高い」
「医者が楽」
「技術がいらない」
という夢のような美容素材は日々開発されていて、出てきては消え、消えては出てきます。
繰り返しますが、自費診療の世界では、医師が、
「それ、いいね!」
とさえ思えば、
違法でない限り輸入して使えます。
もし勧められて不安になり、素材名で検索したとしても、所詮、使用している数軒のクリニックの記事で検索1ページ目は埋め尽くされ、「みんな使っているよ!」という印象を受け取るだけです。
一つの方法としては、素材を提案されたら、JSAPS専門医の複数のクリニックでその素材が使用されているかどうか調べる、調べ方としては、料金表を見れば、使っているかどうかわかります。
それを判断基準にすると良いと思います。
もちろん、美容外科の患者様には、
「自分も先生とチャレンジしたい!」
「美しくなるなら、なんでも試したいの!」
と考える方も沢山います。引き止めはしません。その素材が良い結果をもたらすことをお祈りしています。
<<医師監修の記事です>>

-お問合せ・ご予約-https://sumirenohana.com/%e3%80%90%e6%9c%80%e6%96%b0%e3%80%91%e3%81%94%e4%ba%88%e7%b4%84/
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銀座すみれの花クリニック
1040061
📍東京都中央区銀座5-1-15-4F
🕐10:30-12:30 14:15-17:00
休診日:日/祝/不定期休あり
🚃メトロ銀座駅/日比谷駅/JR有楽町駅
院長X👉@ginzasumire
🏥Instagram👉@ginza_sumire
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院長コメント
当院には、「全切開二重術を行ったところ、二重ラインより睫毛側の皮膚にたるみができた」と仰る患者様が来院することがあります。その際には二重ラインより下方の皮膚切除を行うことで改善します。
しかし二重ラインのキズに幅があると、この修正によって二重の幅が広くなることがあります。従って、このような場合にはキズとなった二重ラインの形成を行い、再癒着しないようにご希望の二重ライン上に埋没法を行い、その後皮膚の余りを考慮して再度全切開を行います。
こちらの患者様は、二重ラインは瞼縁より10㎜のところにあり、切開部は陥没し、癒着していたため、今回は現在の二重ラインを形成し、埋没法で新たな二重ラインを作りました。結果、二重幅を変化させずにたるみを除去することが出来ました。
手術4ヶ月後、瞼を閉じた時の赤矢印が以前の二重切開線で、青矢印は埋没法の痕になります。この手術の欠点は、以前全切開した傷跡を切除しないため、その瘢痕が残ることです。
一方切除しないことで、二重幅に大きな変化を与えないことが利点です。
この患者様は、今後青矢印の埋没法のラインで再度全切開を行うことになっています。